口唇腫瘍手術

50代女性 口唇腫瘍手術の症例です。

下側口唇の黒色のできものが気になり手術を行いました。

手術1週間後、腫れや内出血、摘出部の凹みがあります。
口唇は動くことが多く圧迫もしづらいため腫れが出やすい部位です。

手術後1週間は、創傷治癒を促すため2種類の漢方薬(柴苓湯、治打撲一方)を内服しました。

柴苓湯・・・水の巡りを良くし、過剰な水分を取り除く働きをするため、傷のむくみや腫れを抑えます。
免疫機能を整えるため炎症を抑えて、赤みや痛みを鎮めます。

治打撲一方・・・血の巡りを良くし、熱や腫れ、痛みを和らげます。

漢方薬の他に、美容の内服も希望があり開始しました。
・ビタミンC・・・コラーゲンの働きを助け、傷の修復を促進し色素沈着を抑えます。活性酸素を除去し、炎症を抑えます。
・ビタミンE・・・皮膚の修復を促進し、傷跡の色素沈着を抑えます。ビタミンCと併せて内服すると相乗効果があります。
・トラネキサム酸・・・出血や炎症を抑えます。

手術1か月半後、傷痕はほぼ目立たなくなりました。
段差や凹みもありません。

口唇は組織が他の部位の皮膚とは異なり、非常に薄く柔らかい粘膜で覆われています。
粘膜は新陳代謝が速く修復力が高いため、怪我や傷が比較的早く治りやすい部位です。

気になるできものがある場合は、ぜひご相談ください。
形成外科専門医が診察、治療を行います。