手術後傷痕経過

10代女性 右頬のできものを保険診療でメスによる切除を行った症例です。

切除した皮膚腫瘍は、病理検査の結果ほくろでした。

手術4か月後の時点では、傷跡がまだ目立っており患者様も気になるとおっしゃっていました。

① 腫瘍を完全に取りきること
② 見た目にスカーレス(傷痕がわからないようになる)であること
以上を両立するため、手術直後から患者さんにご提案していることがあります。

そのうちの一つに、ピタシート®という医療用テープの使用があります。
抜糸後から使用していたピタシート®の貼り方を、手術4か月後から大きめに貼るように変更しました。

手術6か月後の時点では、中枢側の盛り上がりがわずかに残る程度になりました。
傷の赤みも引いて患者様は、もう気にならないとおっしゃっていました。
当クリニックでは、この時点でピタシート®は終了可とします。
(1枚1100円で販売しており、傷跡がこの例ぐらいの大きさで1か所であれば1枚で3か月は持ちます)

ここから1~2年かけて傷の成熟化が完成し、盛り上がりは平坦になってさらにわからなくなります。
実は、成長が途中の成人前後までの方のほうが、傷の成熟化に時間がかかります。
傷が治りすぎる(創傷治癒機能が過剰)ことが原因と考えられています。

当クリニックでは手術1週間後の抜糸の後も、手術1か月後、2か月後、3か月後に診察を行い創部の観察を行います。

瘢痕成熟化が良好でかつ患者さんが、傷痕が気にならなくなったら術後の経過観察終了としています。
術後3か月が目安ですが、このように若い方であれば、長引くことがしばしばあります。

形成外科専門医・医学博士の上田真帆(京都大学医学部卒)が手術を担当しています。
術中術後の工夫や、術後の後療法で傷を目立たなくすること、傷跡のない治療になることを心がけています。

初診当日の手術も行っています。
ご相談だけでもどうぞお気軽にご予約ください。