熱傷症例

60代女性、Ⅱ度熱傷患者の症例です。

6日前に右手背を熱傷し、ゲーベンクリームを塗っても改善しないため受診されました。
右手背中央に水泡があり、母指側には破れた水泡の痕があります。
手背全体発赤がありました。
ゲンタシン軟膏を塗布し、毎日自宅でガーゼ交換をしてもらいました。

内服は抗生剤(クラビット)と、創傷治癒を促すために漢方薬(柴苓湯)を内服しました。
柴苓湯は傷のむくみや腫れを抑えます。

また、サプリメントでプロテイン、低分子コラーゲン、ワカサプリビタミンC+Dを摂取しました。
プロテインはタンパク質のことです。タンパク質は傷ついた組織を修復します。
低分子コラーゲンはタンパク質の一種です。新しい細胞を繋ぎ、傷の修復を促進します。ビタミンCと一緒に摂取することで吸収が高まります。
ビタミンCはコラーゲンの働きを助けます。傷の修復を促進し色素沈着を抑えます。活性酸素を除去し炎症を抑えます。

創傷治癒のための推奨摂取量
・プロテイン…食事以外に追加で1日20g
・低分子コラーゲン…1日2000㎎
・ビタミンC…1日600~3000㎎
※ワカサプリビタミンC+Dは、高濃度ビタミンC3000㎎+ビタミンD4000IU含有のサプリです。ワカサプリのみクリニックで取り扱っております。

1週間後
経過は良好で炎症は落ち着いてきました。

4週間後
傷は治癒しガーゼ交換を終了しました。
皮膚保護のためにワセリンを塗布しました。
ビタミンC+D、低分子コラーゲンは隔日内服で継続しています。
治ったばかりの皮膚は脆弱であり、周囲の皮膚よりも紫外線を吸収しやすくなります。

色素沈着を予防するために日焼け防止を指導しています。

8週間後
傷跡はほとんど分からない状態まで回復しました。