耳垂ケロイド手術症例①

耳垂のケロイドに対し、耳介形成術と皮弁作成術を行った症例です。
ケロイドが右は3㎝大、左は3㎝大以上と大きく、一部耳介を含めて切除し、耳介再建を行いました。
ピアス穴を残したいとご希望があり、右側は皮膚の伸展があったものの、耳介を一部切除してもピアス穴を残すことができました。
左側は右側よりも大きなピアスを使用されていたので、皮膚の伸展が大きく、左右のバランスを整えるためピアス穴を残さずに切除しました。
左右の耳垂のバランスを調整し、見た目にもこだわって手術をしています。
手術1週間後に抜糸し、左耳のみテーピングを1週間行いました。
手術1か月後では傷は目立たなくなっています。

当クリニックでは、術後の創傷治癒を促すため、漢方薬を処方しています。
柴苓湯と治打撲一方の2種類を処方しますが、本症例では肝機能がやや高めだったため、柴苓湯のみ処方しました。
柴苓湯は傷のむくみや腫れを抑え、ケロイドを予防します。
ケロイド体質の方は、柴苓湯を手術後6か月ほど内服します。
ホクロなどの皮膚腫瘍切除より再発の可能性が高いため、内服をきちんと継続することが大切です。

ケロイドは、創傷治癒過程で炎症が持続し、組織の異常な増殖が生じることによって赤く盛り上がっていく疾患です。
ニキビやピアスの穴などのごく小さな傷から発生することも多く、発症には遺伝や体質も関与していると考えられています。
痛みやかゆみ、ひきつれ感を伴うことがあり、目立ちやすい見た目であるため、精神的な負担が生じることもあります。
当クリニックでは形成外科専門医が丁寧な治療を行っています。

手術1か月後以降の経過については、今後ご紹介いたします。