神経因性膀胱②
原因となる病気によって、次の3つのタイプに分けられます。
① 中枢の障害によるタイプ
脳の病気が原因で起こるタイプです。
・脳卒中(脳血管障害)
・認知症
・パーキンソン病・パーキンソン症候群 など
② 脊髄の障害によるタイプ
脊髄がダメージを受けることで起こります。
・外傷による脊髄損傷
・多発性硬化症
・二分脊椎症
・腰部脊柱管狭窄症
・腰椎椎間板ヘルニア など
③ 末梢神経の障害によるタイプ
膀胱につながる神経そのものが弱るタイプです。
・糖尿病による神経障害
・直腸がん・子宮がんなど骨盤内腫瘍の手術後
・馬尾腫瘍 など
神経因性膀胱の治療の目的
治療では、次の4つを大切にします。
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腎臓を守る(上部尿路の機能を保つ)
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尿路感染(膀胱炎など)を予防する
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“ためる力”を整える(尿失禁を防ぐ)
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できるだけ自分で排尿できる状態を目指す
治療の内容
神経因性膀胱は、症状によって「排出障害」と「蓄尿障害」に分けて考えます。
■ 排出障害(尿が出にくい・出切らない)
膀胱はふくらむけれど、出口がうまく開かないタイプです。
治療としては次のような方法があります。
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内服薬(α1ブロッカー)
尿道の筋肉をゆるめ、尿を出しやすくします。 -
自己導尿
自分で細いカテーテルを入れ、たまった尿を定期的に出す方法です。 -
留置カテーテル
尿道に管を留置し続ける方法で、他の方法が難しい場合に選択します。
■ 蓄尿障害(尿が近い・もれる)
膀胱が十分にふくらまず、尿をためられないタイプです。
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抗コリン薬
膀胱の過敏な動きを抑え、ためられる量を増やします。 -
β3受容体刺激薬
膀胱の筋肉をゆるめ、落ち着いて尿をためられるようにします。
神経因性膀胱は、原因や症状によって必要な治療が大きく変わります。
適切な治療を行うことで、腎臓を守り、感染を予防し、日常生活の快適さを取り戻すことが可能です。
気になる症状があれば、早めに泌尿器科へご相談ください。
